A子から突然の電話で呼び出され新築披露のホームパーティ招待状を手渡された。そこには・・・
学生時代、A子に惚れた。
A子も俺に好意的で仲良しだったが
彼氏にはなれず。
そのまま2年の間、
A子に未練たらたら。
貴重な学生時代を無駄に浪費。
周囲からは俺とA子が
「珍しい男女の親友」認定
されたがちっとも嬉しくない。
4年生の時、別の彼女ができる。
A子のことはころっと忘れ
その娘に夢中になる。
遅い童貞脱出。
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彼女も処女。
夢ごこち第一次絶頂期。
A子にも彼氏が出来て
安定的平和的親友付き合い開始。
社会人2年目。
俺、彼女に振られる。
虚脱状態。
噂を聞いてA子慰めの電話をかけてく
る。
が、1ヵ月後A子も彼氏に乗り換えられて
振られる。
A子呆然。
俺とA子、勢いでヤケクソ温泉お泊り旅
行に行く。
行きの車中はお互いに落ち込んでいて、
さらにその日の夜のことを考えて
緊張して全く盛り上がらず。
旅館で。
こんなんでヤっていいのか?
でもこの状況はヤるよなと
考えているところに風呂上り
浴衣のA子登場。
布団に寝て「いいよ」というが
下手に付き合いの長い悲しさで
嫌がっているのを看破する。
怒らせないように優しく問い詰めると
「今は誰ともしたくない。
でもあなたなら仕方ない」
仕方ないといわれて萎えたが
冷静さも芽生えて、
セクロスは諦める。
布団に寄り添って観光地図を
見たり思い出話に終始する。
胸元から胸の谷間が覗いたり、
浴衣がはだけてパンツがチラリと
見えてぎゃあああと思うが
暖かく柔らかいA子と寄り添い、
手をつないで眠ったら
お互いの失恋気分が
癒されたのは癒された。
翌日の観光は互いにふっきれて
大盛り上がり。
友だちでしかいられない女って
いるんだと少し哀しく思う。
それ以降A子とは距離を置いて疎遠に。
なぜあの時ヤらなかった。
俺のヘタレ俺の馬鹿俺
死ね俺死ね俺死ねで
1年間を無駄に過ごす。
同僚の女性に告白されたが
思いっきしA子と比べて
駄目ぽと思って断ってしまう。
嫌悪感で俺死ね俺死ね俺死ねに拍
車がかかりもう1年間無駄に過ごす。
A子から突然の電話で呼び出され
結婚披露宴の招待状を手渡される。
「どうしても謝りたかった。
あのとき拒んでごめん。
ほんとにごめん
許されないけどごめん」
「何を今さら。俺とお前の仲じゃないか。
旦那と幸せにな。
わははははは」 あ~あ(溜息)。
その夜A子の夢を見て激しく
自己嫌悪。
寂寥感に耐えられず。
人生が終わった気分。
1年後、A子から突然の電話で
呼び出され新築披露の
ホームパーティ招待状を手渡される。
お祝い片手に出向くとA子の同僚や
後輩の若いOLがいっぱい。
A子に「好みのタイプは」と尋ねられ、
若そうで美人さんタイプを
面白半分に指名する。
A子「はははは。そうかそうか。
あなたらしいわ」と笑ってどこかへ行く。
幸せそうで明るくていいな、A子よ。
2週間後、A子から「あの(ご指名の)娘
をウチに呼んだから
あなたもおいで」と呼び出される。
いってみるとA子夫妻が揃って真顔で、
見合いのような雰囲気である。
はじめましてわたくしはと
一生懸命喋っている俺がいる。
A子は「○○さんは女子高女子大の
新卒でまだ男性と
お付き合いしたことないんですって。
イヒヒ」という。
最後の笑い方がおばさんぽいなと
思ったが、今は何より○○さんである。
デートの約束をした。
最初のデートが上首尾に終わり、
ついに俺にも運が向いてきたと
森羅万象に感謝する。
2度目のデートで夜景を観に行き、
衝動的に抱きしめて唇を奪い
そのままホテルに連れ込んで
押し倒した。
あの温泉旅館での鬱憤は
こうして時空をへだてて
別の相手に炸裂噴火したのであった。
それはいいが、A子めが翌日の
会社での○○さんの歩き方で
何があったか見破りおって
「手が早すぎる」と冷やかし半分の
抗議電話をよこす。
人間は学習するものなのだ。
さらにしばらくして○○さん、
A子から怪しげな床技を習ってきて
俺相手に稚拙に実践する。
何を教えているのだ。
遊んでるのか、A子。
俺は○○さんと幸せで幸せで
目がくらんでいたが、
そのバラ色の生活の向こうに
A子の面白がる顔が
浮かんでいたのである。
今の嫁がその○○さん。
最高の恋人だったし、
今は最愛の人生の相棒でいる。
嫁さんばんざい。結婚生活最高!
ついでにA子との今も
変わらぬ友情というか腐れ縁にも
感謝している。
温泉旅館の話を嫁に
カミングアウトしたものかどうか。。
向こうは自分の旦那に
カミングアウトしてるのだろうか?
結婚2年目でまだ新婚気分が
抜けない愚か者なので、
嫁には隠し事をしないほうが
いいかもとピュアなことを
考えてしまったが、
みんなの忠告どおり
黙っておくことにする。
確かにA子と俺は友人だが
その裏にある俺の長い間の
ドロドロした葛藤や妄執を
嫁に知られるわけには
いかないと再確認。
最初から恋愛感情抜きの
さわやかな友情だった
ことにしておく。
馴れ初めだけだと
「友人の紹介」で終わるので、
なぜ友人が紹介してくれたかを
説明したらこうなった。
すまない。
俺はA子とくっつこうと
足掻いたことでわかるように、
惚れてしまえば処女も
経験ありも関係ない。
しかしA子を除けば基本的に
「年下・控えめ・清楚・真面目」
という要素に反応する傾向がある。
俺が嫁を好みだといった際、
A子はそれを思い出して
「この男はちっともかわらない」と
可笑しくなって
それでわざと嫁の男経験について、
俺をからかう意味も含めて
「あなたの好きな処女だ」
と暗示してみせたらしい。
そしてみんな幸せに暮らしました。
A子の旦那の度量の広さもある。
嫁の友人の独身男など怪しいし
鬱陶しいはずだが、
俺を遮断せずにむしろ
友人になるくらい
大人の態度だった。
俺もA子が結婚したあとは
直接連絡したりせず、
けじめはつけていたはずなので
それも信用してもらえたのだと思う。
A子と嫁が同じ会社で
先輩後輩で仲が良いので、
嫁がA子の人となりについて
想像して怪しむことが
ないのもよいのかもしれない。
今は俺と俺の嫁が良い家庭を
作ってA子夫妻と家族ぐるみで
良い付き合いをしたいので
A子との友情をことさら
アピールする必要もないし、
もうそういう時期ではない
のだと思っている。
嫁とA子は互いの旦那のベッドでの
振舞いまで情報交換しているらしい。
そういうことこそ秘密だと
思っていたが女というのは
恐ろしい生き物だ。
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