馴れ初め話

【馴れ初め 感動 長編】嫁とは現在結婚6年目、俺32でヨメ30。独身の頃住んでいた1DKのアパートの隣同士で・・・

 

嫁とは現在結婚6年目、俺32でヨメ30。独身の頃住んでいた1DKのアパートの隣同士で・・・

 

 

 

語ってみる。

嘘みたいな話だがほぼ実話だ。

あとグロ注意。


うちは現在結婚6年目、

俺32でヨメ30。

独身の頃住んでいた1DKのアパートの

隣同士だった。



ただお互い独身で、

日中は仕事だし出退勤の時間が
合わないしでまったく面識なかった。





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たしか5月下旬の土曜の夜

11時ぐらい。

ビデオ見ながらウトウトしてたら、

隣から女の言い争う大声と、

ドスーン!バリーン!ってすごい音がして
部屋が揺れた。

さらに悲鳴。


こりゃただごとじゃないと思って

すぐ外出て隣の部屋のドアをノック。


「すいません隣の者ですけど大丈夫です
かー?」と声をかけたら、

叫び声に混じって

「助けてーっ!」という悲鳴がする。

でもドアに鍵がかかってて入れない。


パニクりつつ、ベランダづたいに

隣の部屋に行こうと思いつく。


暗いんでマグライトのでっかい

懐中電灯持って、一度ベランダの外に

出て隣のベランダへ。


部屋は二階だったが無我夢中だった。


ベランダのサッシを開けて

カーテンめくったら、

大きいタンスや家具が倒れてて、

蛍光灯がブラーンってなってて

もう部屋中むちゃくちゃ。


その真ん中で中年の女が

若い女に馬乗りになって

バシバシ殴ってる。


若い女の顔は血で真っ赤。

中年女は俺に気づいてすごい顔で

睨んでくる。

目が逝っちゃってた。


なんかもう、あまりのことに

呆然としながら

「な、なにしてるんですか」と聞く。


婆「あんた何よ!関係ないでしょ!」

嫁「助けて!助けてください!(半泣
き)」

俺「とにかく乱暴は良くないですから

やめてください」と中年女に近づくと、

そいつが立ち上がって

何かを俺に突き出してきた。


なんと包丁だ。


俺「危ないだろ!」

婆「あんた関係ないでしょ!あたしがこ
の女を(あと意味不明)!」

さらに包丁を振り回してくる。


怖かったんで、こっちも懐中電灯を

ふるって中年女の腕を殴りつけ、

包丁を落としたところで

突き飛ばして押さえ込んだ。


暴れるんで嫁のバッグのベルトで

腕を縛り上げ、警察を呼んだ。


嫁は血だらけで泣きじゃくっている。

なんとかなだめようとしているところに


警察到着。


事情を説明し、とにかく警察へ

ということで嫁と俺と手錠を

かけられた中年女はパトカーで警察へ。


俺は汚ねえジャージ姿だったから

恥ずかしかった。


 あとから嫁や警察に聞いたことを総合
すると、

中年女は嫁の勤め先の人の

奥さんだった。


ちょっと精神を病んでいて、

嫁が自分の旦那と浮気していると思い
込み、

どうやってか嫁の自宅を調べ、

こらしめようと乗り込んで

きたんだそうだ(速攻で強制入院になっ
た)。


持参したバッグからも

包丁何本かとカナヅチが見つかったと

聞き、俺が殺されてたかもと

本気でビビった。


嫁はそのまま入院。

次の土曜日に、両親と一緒に挨拶に来
た。


顔も腕も包帯だらけで痛々しかった。


部屋は引き払い、別の勤め先を探すと
いうことだった。


本人に非はないんだから、心から同情し
た。


2ヶ月ぐらい過ぎた頃、俺の会社のある
ビルのロビーで

「俺さんですよね?」と女の人に声をか
けられる。


「?(誰この美人)」

「嫁です!あの時は本当に

ありがとうございました」

なんと嫁だった。


嫁の新しい勤め先の会社が俺の勤め先
と同じビルにあった。


嫁の顔や腕のケガはきれいに

治っていたけど、

後遺症で片耳の聴力がかなり落ち
ていた。


そのうち時々昼飯に行くようになり、好
みや趣味が合うことを発見。

付き合いたいなあと思うようになる。


ただ、嫁に交際を申し込む前に、

俺の顔見るとあの事件を思い出して

不安になったりしないのか聞いた。


殺されていてもおかしくない

ひどい経験だったんだから、

嫁が思い出して辛い気持ちに

なるなら付き合ってほしいとか

言わずにフェードアウトしようと

思っていた。


嫁は「あのときのことは一日に何回も

思い出して凄く怖くなるけど、

それは私が乗り越えなきゃいけない」


「俺さんが一緒なら安心だし」と

言ってくれた。


それを聞いて嫁に交際を申し込み、

付き合い始め、翌年の春に結婚した。


でも嫁はあのアパートには

結婚するまで一度も近づかなかった。


新居への引越しも俺一人でやった。



結婚後は夫婦円満、子供ふたり

(三歳娘と一歳息子)にも恵まれて文句
なし。


あの頭のおかしいおばちゃんが

嫁と結婚するきっかけだったと

思うとちょっと複雑な気分にもなるけど、


あのとき自分が部屋にいて、

手遅れになる前に嫁の部屋に

助けに入れて、本当によかったと思う。



お礼参りとかないか不安だったんで、

何日かして事情聴取された

お巡りさんにどうなったか

聞いてみたら、かみさんの方は

逮捕されてすぐ入院になったみたい。


たぶん、統合失調症?の

妄想とかそういうことなんだろう。


旦那の方には警察で土下座された。

憔悴しきった様子で何回も

申し訳ありませんって謝ってくれて、

こっちが同情した。


ものすごく誠実な人だと感じたし、

こんな定年間際のくたびれた

おっちゃんが嫁と不倫とかねえだろ、

というのが俺の結論。


嫁の元同僚や友人にも、

嫁が不倫なんてありえない、

事実無根だと太鼓判押された。


旦那は別に嫁の上司でもなく、

嫁はほとんど話したこともなかったらし
い。


その人が自宅に置いてた

社内サークルの名簿に嫁の住所氏名が
載っていて、


かみさんはそれを見たんだと。

今考えれば個人情報だけど、

小さな会社だったからね。


旦那は結局会社を辞めた。


嫁の治療費も引越代もすべて

旦那が負担した。


若い女性に障害を負わせたのだから

きちんと慰謝料を払わせて欲しい、

という申し出は、同情した嫁が断った。



そのかみさんも病気のせいで

ああいうことをしてしまったわけで、

なんつうか悪い人はいないのに

みんな不幸になっちゃって

やりきれないと思ったな。

 

 

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