馴れ初め話

【馴れ初め 気団】大人になってから聞こえなくなる可能性が高いと言われる

 

大人になってから聞こえなくなる可能性が高いと言われる

 

 

 

 

 

小学生編

 

引越し先のご近所に住んでた

同い年の女の子が嫁だった

 

嫁は風邪をひきやすくて

よく熱をだしてた

 

 


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それもあって内向的で

読書をよくする女の子で、

スポーツ出来る奴=モテる的な思考の

小学生には外で遊ばず

教室に一人でいる嫁は

自然と周りから浮いていた

 

小学生なんて読書嫌いばかりだから、

教室で分厚い三銃士の本を

読んてる嫁の楽しみを

理解する人はいなかった

 

本を読んでる最中に

とりあげられて

「こんなのの何が面白いの」と

悪気なく言われるのはよく見ていた

 

俺も転向でクラスに

馴染めなかったから教室の済で

息を潜めていたんだけど、

嫁は本を貶(けな)されると

皆が居なくなったあと

ひっそり泣いていた

 

 

 

 

それから嫁を自然と

見つめるようになってたんだけど、

嫁は人前では穏やかな顔を

しているのに、

楽しみを貶されると影で

涙している姿を

よく目にするようになった

 

翌日晴らした目をして学校に来ても、

本に感動してと誤魔化していた

 

自分でも何を思ったのか解らないが、

俺は図書館で折り紙の本を借りてきて、

折り紙で栞を折ってこっそり

嫁の机の中に入れた

 

本好きな嫁のために

何かをしたかったのだと思う

 

気味悪がられたのか捨てられたのか、

一度もその栞(しおり)をつかっている

場面は見なかったが

 

中学生編

嫁とは中学の三年間もクラスが同じで

俺の嫁観察は続いた

 

年があがるにつれて嫁は

より穏やかになり、そして影で

泣くのが上手くなっていった

 

一度嫁がとてつもなく

熱中していた事を教師が茶化して、

クラスメイトとバカにしたことがあった

 

冗談めかした弄りなんだけど、

机の下でハンカチを固く

握りしめている嫁は、

きっと心の中で泣いていたんだろう

 

けれどけして表情には出さずに

静かに悲しんでいた嫁を見た時、

物凄く守ってやりたいという気持ちが

生まれた

 

俺は嫁に話しかけるようになり、

読書好きな母の蔵書を

嫁にかすようになった

 

俺が一枚噛んだことと、

借り物の本、人の親の持ち物

というのもあって、あからさまな

嫁いじりはなくなった

 

放課後俺の部活が終わっても

嫁が教室で俺の貸した

ハリーポッターを

読んでいたことがあった

 

そんな時間まで残ってたことも

驚いたが、集中してる嫁が

すごく綺麗に見えた

 

そこだけ切り取って違う空間が

あるように、本を読む嫁の周りに

不思議な空気が流れていた

 

最終下校の放送が流れて

嫁が初めて時間に気づいたようで、

驚いて時計を仰ぎ見た

 

そして俺が見ていたのに

気付いて更に驚いて

恥ずかしそうにしていた

 

俺はもっと嫁を見ていたかったのに

残念だとさえ思えた

 

高校編

 

高校も嫁とは同じクラスになり、本を貸
す行為は続いていた

 

ある日もう少しで

読み終わるという本を

返したいとのことだったので、

俺の家で読んで続きを

借りていけばいいと提案した

 

俺は相変わらず本を読む嫁を

 

眺めているのが好きで、

俺の部屋でベットにもたれかかって

本を読む嫁を壁際にもたれて

眺めていた

 

「どうしてそんなに見つめてくるの?」

「本を読んでる嫁が好きだから」

 

「見ていて面白い?」

「うん」

 

そんな会話だけを交わして、

嫁はまた本の続きに戻った

 

読み終わった時には周りは暗くて、

俺は嫁を送っていくことにした

 

帰り道歩きながら嫁は

満月を見ながら

夏目漱石のことを話してくれた

 

彼女の口から語られる

長靴をはいた猫は、

本で読んだ時とまた別の

魅力があって、

俺は初めて嫁が好きだと気づいた

 

ある日嫁が一週間学校を休んだ

 

本を貸したままだし

続きもあったので気になって

見舞いに行くことにした

 

嫁は高熱が続いて

危ない状態だと言われた

 

昔から度々高熱が続くことはあったが、

今回は特に酷いらしかった

 

本の事を伝えると、

今は読める状態ではないから

一旦お返しすると言われて、

 

貸していたルーンの子どもたちを

母親が持ってきてくれた

 

それを受け取ってパラパラと

開いていると、

中から見覚えのあるものが出てきた

 

俺が小学生の頃に作った栞だった

 

裏側に小さい押し花が

引っつけられていて、

綺麗にラミネートされていた

 

それを見た瞬間、

俺の中で何かの感情の泡が

弾けて涙がボロボロと流れてきた

 

嬉しさと悲しさの混じった涙は

生まれてこの方その時だけで、

言葉に上手くできないあの感情が

襲ってきた経験は他にない

 

嫁は更に一週間休んで学校に来たが、

声が出なくなっていた

 

右耳も音が聞こえないようだった

 

戻るのかと聞いたら、

困ったようにはにかんだ

 

声はかなり時間がかかって

なんとか戻ったけど、

結局耳は戻らなかった

 

左耳にも聴力障害が

残るだろうと言われている

 

これは年々悪くなるので

将来大人になってから

聞こえなくなる可能性が

高いとのことだった

 

それから嫁は俺から

本を借りるのをやめて、

手話の本を手にするようになった

 

医者のすすめで、

まだ聞こえているうちから

手話を覚えておいたほうが

本人も辛くないだろうとの事だった

 

大学編

 

大学生になると、嫁は普通の会話でよ
く聞き漏らしをするようになった

 

聞こえる方の耳をこちらに

傾ける癖ができて、

嫌でも難聴の進行を痛感させられた

 

音をだんだんと失っていく、

それが自覚できる

 

俺はそれがとても恐ろしく感じた

 

耳が聞こえない為に嫁が

事故にあう姿を夢でみるようになり、

大学で顔を会わせて

夢であったことを安心する

日々が続いた

 

俺は気を紛らわせるように

図書館に通った

 

大学生活も終わりに近づいた頃、

嫁の1月の誕生日を迎えた

 

俺は返せないままだった栞を持って、

嫁に会いに行った

 

玄関出迎えてくれた嫁に

「誕生日おめでとう」というと、

恥ずかしそうにに「ありがとう」と笑った

 

俺が栞を差し出し、

返せなかった事を謝ると嫁は

黙ったまま栞を見つめた

 

そしてまた「ありがとう」と言って

はにかんだ

 

俺は図書館に通った成果を

存分に発揮した

 

左手を握り、右手のひらを

その上で2回まわす

 

「愛しています」

嫁はボロボロと涙をながし

両手の人差し指と中指を

2回合わせた

 

「私もです」

二人して玄関でボロボロと泣きあった

 

それから大学も卒業して

無事社会人としての基盤が整った頃、

俺は嫁にプロポーズをした

 

6月に結婚式を上げた頃には、

嫁の耳は殆ど聞こえていなかった

 

教会で二人だけの質素な

結婚式を上げた時、

かすかに聞こえる耳で

愛の誓いをしてくれた

 

ごめんなさい、

最後の「私もです」という手話

 

人差し指と親指って書きたかったのに、

人差し指と中指と書いてました

当時を思い出すと

涙が出てきてダメですね

 

途中わかりにくい文章が

なければよいのですが

 

俺と嫁の家県境だったせいで

無理なく通える公立高校が

二箇所しかなかったんです

 

片方の高校は農業職が強く、

地元の農家の跡取りの

子等が通っていました

 

もう片方は有名な進学校でしたので、

俺達は自然とそこが

第一志望になった形です

 

高校のクラスが同じになったのは、

嫁の耳のことがあったので

作為的だったと聞いています

 

俺達の中学からその学校に

行った人は殆どいませんでしたから

 

 

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